福祉員かわら版

通巻102号:平成25年8月15日発行

発達障害についての理解

今月は先月に引続き、発達障害のなかのADHDとLDについて説明します。

ADHDは日本語では、注意欠陥多動性障害といい、「多動性」、「衝動性」、「不注意」などを特徴とする発達障害です。個人差はありますが、大人のADHDは、子どもの頃と比べて多動性が弱まり、不注意が目立つ傾向にあるようです。

「多動性」の症状では、じっと座っていられない、手足をモジモジさせる、落ち着かない行動をとるなどがあります。また、おしゃべりに夢中になって家事を忘れる。おしゃべりを始めると止まらない、自分のことばかりしゃべってしまうなどもあります。「衝動性」では、順番を待つことができない、考える前に行動してしまうなどが見られます。衝動買いや思ったことをすぐに言動にうつしてしまうということもみられます。「不注意」では、集中力が続かない、気が散りやすい、忘れっぽいなどがあります。必要な物をなくしてしまったり、忘れたり、約束の時間にいつも間に合わない、約束を忘れてしまうといったこともあります。ただし、こうした症状がある人すべてがADHDというわけではありません。

ADHDのある人とうまく付き合うには、ADHDという障害があることをまず理解し、その人のもつ特徴の理解が必要です。特徴は一人一人違います。そして、その人の長所をみつけ、伸ばし、自信がもてるようにします。たとえば、一度に大きな仕事ではなく、目標は控えめに設定してみる。仕事の優先順位をつけ、やることリストを作って掲示するなどの工夫があるといいです。感情的な口調や叱責は避け、共感を示し、問題点を話し合うなどして信頼関係を築くことも重要です。

LDは日本語では、学習障害といい、知的発達の遅れはないものの、学習に必要な「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算」などの能力のうち、特定のものだけができない障害をいいます。物を書いたり、話したり、数を数える事を覚え始める3歳ぐらいに発見されることがありますが、小学校まで気づかれないこともあります。LDは学習面だけに障害があり、他の面では何も問題がないため、勉強ができないのは、本人のやる気がないからだと責められがちです。その結果として勉強に意欲を失い、自信をなくしてしまうことがあります。

LDの人への関わり方として、聞くことが苦手な人には、まず話し手に注目させてから短い言葉で、具体的に伝える。うまくできたことはしっかりほめ、自信をもてるようにしたり、やる気がおこるようにしたりして、関わり方に配慮するなどの支援があるといいでしょう。

私たちは簡単な行動においても、いろいろな感覚を組み合わせて使っています。例えば、聞きながら書くという行動は、聞きとった音声を認識し、視覚的な文字に置き換え、手を動かすように働きかけ、その結果、書くという行動になっています。LDの人の中にはこのような2つ以上の感覚を合わせて使うことに困難を感じる人もいます。LDは、学習場面で明らかになるものなので、大人になり、自分の苦手な部分に関わる仕事ではなく、得意な部分にかかわる仕事につくことで、能力を生かしている人たちもたくさんいます。