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通巻13号 平成18年3月15日発行 |
各地域での福祉活動を展開していく中で、一人暮らしの方などを近所の人で見守っていくような取り組みは、徐々に定着して来ております。その反面、家族同居で起こる事は、外部からはなかなか発見されず「ご家族がいたのに何で?」というような事件がニュースで取り上げられたりします。
その一つに、『虐待』というものがあげられ、これはとても深刻な事件に繋がります。
〝しつけ〟と称して、小さな子どもに食事を与えず、殴る蹴るなどして殺してしまうとか、障害があるから「近所に知られたくない」と、社会との接点を絶って家に閉じこめるとか、また高齢者については、認知症などで分からず言う事を聞かないからと、暴力をふるったりする、こういった事件は、近年よく耳にする事件となってきています。
〝身内〟は安心出来るという考え方が現代では通用しなくなってきています。
さて、虐待については、児童虐待の防止等に関する法律(平成12年5月成立)、配偶者からの暴力の防止および被害者の保護に関する法律(DV法)(平成13年4月成立)がありますが、来月4月から高齢者の虐待防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律(以下「高齢者虐待防止法」という)が施行されます。そこで、簡単にこの「高齢者虐待防止法」をご説明しますが、高齢者虐待とは、養護者による高齢者虐待、介護施設従事者等による高齢者虐待があり、虐待とは次のような行為を言います。
①身体的虐待
高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること
②ネグレクト
高齢者を衰弱させるような著しい減食、長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置など養護を著しく怠ること
③心理的虐待
高齢者に対する著しい暴言や心理的外傷を与える言動を加えること
④性的虐待
高齢者にわいせつな行為をすること、させること
⑤経済的虐待
養護者又は高齢者の親族が財産を不当に処分すること
この法律では、前述のような虐待を受け、生命・身体に重大な危険性が生じる場合、それを発見した人は市へ通報しなければならないとされています。つまり、住民の皆さんにも通報の義務的な役割があります。
また、被害者を保護する事と同時に加害者支援が定められています。高齢者虐待は、介護地獄と言われる重い介護ストレスが原因で起きていることが多く、これもまた、外部からは分かりにくい事情があり、単純に加害者を責めることはできません。
皆さんの地域はどうでしょうか。
隣の家 もしかしたら…。と思われたことはありませんか。
もしかしたら、一番身近な家庭で行われていることかもしれません。
自分のやっている行為はもしかしたら虐待かもしれない…。でも、どうしたらいいか分からない…。外から見えない家庭内で起こっているため、見えないところで違法性はエスカレートしていくかと思います。
今回は高齢者虐待防止法について簡単に取り上げてみましたが、高齢者に限らず、児童や障害者、配偶者間など、虐待は特別な一部の人によって起こされるものではなく、誰にでも起こりうる問題かと思います。
地域社会の人間関係が希薄化していて、虐待の早期発見をより困難にしています。もし、地域の中で〝気になる〟と思われることがあれば連絡いただければと思います。虐待を受ける被害者、加害者そして通報者を保護しながら、丁寧に対応していきたいと考えています。