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通巻18号 平成18年8月15日発行 |
毎月2回行っている、日田公証役場の「無料日曜遺言公証法律相談」(0973-24-6751)の相談事例の中には、
【遺言はしているが、遺言の効力の発生は、遺言者が死亡した時であり遺言者の生きている間の代理等の法的な行為(例えば、遺言者が病気で入院をしたとき、又は判断能力が落ちたときに、遺言者に代わってする介護契約、預貯金の出し入れ、傷んだ建物の修繕契約など)をお世話するべき受遺者(遺言で財産を受ける者)がしてあげることができない。どうすればよいか】
という相談が少なくありません。
そこで今回は、そのような場合に対応できる「委任・任意後見契約」についてお知らせします。

まず、「任意後見契約」の説明に先立ち、上の図を参考にして頂きたいと思います。
この図の「人」とは、財産等の権利を持ったり、義務を負う主体となる者で、生まれてから死ぬまでを言い、「物」とは財産など「人」に持たれる客体のことです。
自然に生きている私たちは、必ず死を迎えますが、死ぬとその遺体は「人」ではなく「物」となりこの時に相続が生じます。
人の法的な行為は「意思能力」と言って、自分の行為の是非、結果等を判断できる能力がなければ、自分では行為ができません(行為をしてもそれは無効となります)。
「人」は原則として、完全な判断力が認められないため、通常親権者が代理をする二十歳未満の「未成年者」と、原則として判断力があるとされる二十歳以上の「成年者」に分かれますが、成年者でも、意思能力を欠いたり、不十分である者(例えば、重度の知的障害者や認知症の人)については、本人を代理する者が必要となります。
この代理人制度を「後見制度」と言い、これは①法定後見(判断力が落ちた時点で家庭裁判所が認定)と②任意後見に分かれます。
今回説明する「任意後見」は、本人がまだ判断能力を有する時点で、自分の判断能力が落ちた場合に備え、自分にとって最も適当な者を代理人とする契約(公正証書でしなければ効力がありません。)をその者との間で結んでおき、その代理人が、その後に本人の判断能力が落ちてきたときに、家庭裁判所が選任する、任意後見監督人の監督の下で、(これは、本人の判断能力が落ちたのをよいことに、勝手なことができなくするためです。)任意後見人として、本人のために代理行為を行うことを内容とするものです。
先に述べた「委任・任意後見契約」は、上記任意後見契約とともに、まだ判断能力がある段階でも、入院したり、体が不自由で、本人が銀行へ行ったり、その他の手続きをとれない場合に、代理人にいろいろな法的手続きを委託する「委任契約」を加えて、本人が判断能力がある間でも活用できるようにした契約で、相談の受遺者等が代理人として本人のお世話をしやすくするものです。
なおこの契約は、遺言のあるなしに関わらず締結できます。
昨年は約40人の方がこの契約を締結し、お世話がしやすくなったと喜ばれています。
後見制度については、一度ご相談下さい。 (以下次々号に続く)
※ 法律に関して困った事がありましら、公証役場までご相談下さい。