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通巻24号 平成19年2月15日発行 |
今月も日田公証役場の「無料日曜遺言公証法律相談」(電話0973-24-6751)の相談事例から今回は、借地借家に関する法律問題について御紹介します。
~外食産業・販売店等の店舗、工場等を建てるため、土地を貸して欲しいとの申し入れがあったが、貸主としてどんなことを注意しなければならないか~
という相談も少なくありません。今回は、そのような場合に対応できる公正証書があることについてお知らせします。
建物を建てることを認めて土地を貸す場合の法律には「借地借家法」がありますが、この法律は借主の権利(これを「借地権」といいます。)を保護することに重点が置かれています。
普通は民法という法律に、土地の貸し借りについても規定されているのですが、この民法の規定だけで、土地の貸し借りを取り仕切ってしまいますと、短い期間の賃貸借の場合まだ十分使える建物を取り壊して、土地を返還しなければならくなるほど、契約する時に通常弱い立場にある借主が不利な結果となります。
そこで、借地借家法は、その中の「借地」について、借主の権利を守るために主に次のことが規定されています。
①賃貸期間は30年以上であること(30年未満の期間を契約で定めても期間は30年とされる)。
②その期間が完了しても、更に20年、更に10年、更に10年と、建物の存する限り更新され続け、これを拒絶するためには、地主に「正当の事由」(地主がその土地を必要とする事情、立退料の支払い等)がなくてはならないこと、また、
③更新がされない場合は、借主が借地上に建てた建物等を地主が時価で買い取らなければならないこと、などです。
したがって、借主が家を建てる場合は、貸さないとする地主が多かったのですが、平成4年に「事業用借地」(本問のような店舗、工場、事務所などの事業用の建物を建てること)を目的として、貸す前に公正証書により「事業用借地契約」(貸借期間は10年以上、20年以下)を締結しておけば、その期間の満了により立退料等の請求や、建物買取請求をされることなく、借主が建物を取り壊しの上、更地にして明け渡す義務を負うことになり、地主としては、所有地の価値を目減りさせることなく有効活用できます。
このことを知らないために、普通の貸し方で土地を貸し、そこに建物が建築されると、事業用借地契約の場合と比べ、大きな不利益を背負うことになります。
建物についても、同様な趣旨の定期建物賃借の制度ができており、これについても知っておくと貸主にとっては有利です。
さて前にも述べましたが、①子どものいない御夫婦、②相続人の中に判断能力を失った人、所在不明者、外国在住の方がおられる方などが、遺言をしないまま亡くなられ、後の処理が大変難しくなっている、いわば、〝手遅れ相談〟が後を断ちません。
もう一度6月号をお読みいただき、“今このまま自分が亡くなったら、財産相続はどうなるか”と言うことを考え、早めに公証役場へ御相談ください。