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通巻52号 平成21年6月15日発行 |
みなさん、こんにちは。
前回は「ど忘れ」と「記憶障害」についてお話ししました。「記憶障害」は認知症の患者さんに現れる大事な症状ですが、患者さんにはその他にも多くの症状が現れます。「買い物を間違える」「道に迷う」「性格が変わってしまう」「怒りっぽくなる」「家族を泥棒あつかいする」「疑い深くなる」「ウロウロと歩き回る(徘徊)」「元気がなくなって寝てばかりいる」「日時の感覚がなくなる」・・・等など。
このようなたくさんの症状をわかりやすく理解するために、私たちは大きく二通りに分類しています。
一つは「怒りっぽい」とか「疑い深い」、「元気がなくなる」など患者さんによって出現したりしなかったりして、精神的に不安定になって介護者をとても困らせる症状で、『精神症状』や『周辺症状』などと言います。
もう一つは「もの忘れ」や「日時の感覚がない」、「人の話がよく理解できない」など認知症の患者さんに共通して出現する症状で、『中心症状』と言います。今回はこの『中心症状』についてお話します。
「中心症状」は認知症の患者さんに共通する症状ですが、具体的には「記憶障害」「見当識障害」「理解力・判断力の低下」などがあります。
「記憶障害」とは物事を忘れることですが、認知症の患者さんの場合憶えていた事を忘れてしまうことも多いのですが、「新しいことを憶える事ができない」ことの方が多いです。以前記憶したことは憶えているのに新しいことを憶える事が難しいので、「昔の事はよく憶えているが、最近の事はほとんど憶えていない」という状態になります。
「見当識障害」というのはちょっと難しい言葉に聞こえます。私たちは今がいつで自分がどこにいるか、ということは特に考えなくてもわかっていますが、これを「見当識」といいます。認知症の患者さんではこの「見当識」が障害されます。普通はまず時間の見当識から障害されるため、患者さんはまず今日が何月何日かということがあやしくなります。病気が進行すると月を間違えるようになり、さらに進行すると季節がわからなくなります。そのためとても暑い夏の日に「冬だ」と言って厚着をする人もいます。
時間の他には自分がいる場所がどこなのかがわからなくなります。病院に診察に来ても自分がどこに来たのかわからない患者さんが時々います。
もっと認知症が進行すると相手が誰なのかがわからなくなります。かなり進行した認知症の患者さんは、配偶者や子供など身近な家族がだれだかわからなくなってしまいます。
このように「日時」「場所」「人物」などがわからなくなる事を「見当識障害」と言います。
「中心症状」の続きは次回お話します。