社会福祉法人 うきは市社会福祉協議会 うきはししゃかいふくしきょうぎかい
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通巻53号 平成21年7月15日発行

シリーズ「高齢者こころの健康講座」その4

みなさん、こんにちは。
前回は認知症にみられる「中心症状」についてお話しましたが、今回もその続きです。

認知症の患者さんには「もの忘れをする(記憶障害)」「時間や場所の感覚がなくなる(見当識障害)」といった症状が現れるということを前回お話しましたが、それ以外にも「話を聞いてもよくわからないでいる(理解力の障害)」「何かあった時にどうしていいのかわからない(判断力の障害)」「買い物をするとき全部でいくらになるかわからない、あるいはお金を払う時にいくら出せばいいのかわからず、大きな金額の札を出す(計算能力の障害)」などといった症状がみられます。

通常このような症状は最初あまり目立たず、段々とひどくなっていくことが多いものです。最初は「年をとったからこのような間違いが増えたのだろう」と家族から思われる人が多く、ある程度認知症が進行してから「これはおかしい。ひょっとしたら認知症かもしれない」と気付かれることがしばしばあります。

このような「中心症状」が出現してくると日常生活の様々な場面で支障が出てきます。初期の方には交通機関の利用や金銭管理、あるいは慣れていた自分の仕事ができなくなるなど、社会生活に支障が生じてきます。更に病気が進行すると家の中の整理整頓ができない、家事ができない、など家の中での作業が困難になります。主婦の方でよくみられるものは「炊事中に鍋を焦がす」や「水道・電気の消し忘れ」といったものです。もっと進行すると身の回りのことが一人でできなくなります。ご飯を食べる、着替える、お風呂にはいる、といったことに周りの人からの援助が必要になります。

これらのことがどの位までが加齢による生理的な衰えで、どこからが認知症の症状かというはっきりとした境界があるわけではありません。例えば元々しっかり者の主婦の人が、最近よくもの忘れをしても家事がちゃんとできていればあまり心配いりませんが、よく買い物を間違えたり、料理の種類が減って味付けもおかしくなったりしたらやはり認知症の発病を心配しなければなりません。

このように「中心症状」が年齢によるものか認知症という病気の影響なのかという区別は、そのことによって日頃の生活に支障が生じているかどうかというのが一つの目安になり、それにその人の元々の能力や年齢、周囲の状況などを加味して判断することになります。

「中心症状」のお話はこれで終わりにして、次回からは認知症のもう一つの症状である「精神症状」についてお話します。

(文責/古賀 寛 奥村病院医師)