社会福祉法人 うきは市社会福祉協議会 うきはししゃかいふくしきょうぎかい
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通巻56号 平成21年10月15日発行

シリーズ「高齢者こころの健康講座」その7

みなさん、こんにちは。認知症の「精神症状」についてお話していますが、これまで「幻覚」、「妄想」、「怒りっぽさ」という症状の説明をしました。今回は「不眠」のお話をします。

「不眠」は夜間きちんと眠れないという症状で、認知症の方だけでなく私たちにも起こりうる症状です。「不眠」はその種類によって、夜になっても寝付けない「入眠障害」、途中で目が醒めてしまう「中途覚醒」、朝異常に早く目が醒めてしまう「早朝覚醒」に分類されます。

「不眠」には何か原因がある事が多く、患者さんに何らかの痛みや痒みがあるなど別の身体的な病気が原因のことがあります。認知症の患者さんは自分の症状をうまく言葉に出して表現することができませんので、介護者の方は注意して身体を観察する必要があります。また急に環境が変わるなど、周囲の状況が原因のこともあります。

そもそも睡眠時間は加齢と共に短くなり、睡眠の深さは浅くなるという生理的な変化があります。認知症の方が朝4時頃に起きてしまう「早朝覚醒」があるというのでよく話を聞くと、夜9時頃休んでいることがあります。その方は結局7時間も眠っていることになりますので、「不眠症」ではないのです。

また認知症の方に多い「不眠」に「昼夜逆転」があります。これは日中自宅に一人で過ごしているような方に多く見られますが、昼間することがなくてウトウトして過ごし、それで夜眠れなくなり、そのためまた次の日の昼間眠たくてウトウトとして夜が眠れず・・・・・・、と悪循環を繰り返すパターンです。私達でも日中たっぷり昼寝をした日の夜は中々眠れないものですが、認知症の方ではそれが顕著になります。この「昼夜逆転」を治す方法は「昼間眠らない」ことです。そこで活躍するのがデイサービスなどのリハビリテーションです。デイサービスなどに参加して昼間しっかり刺激を受けて起きていれば、夜間の睡眠がとれやすくなります。「起きている時間」と「眠っている」時間のメリハリをつけることが大事です。

それでも「不眠」が解消しない時には睡眠薬を使用することがあります。睡眠薬と聞くと何か大変な薬と思う方もおられるかもしれませんが、安全性は高いものです。薬が止められなくなる依存性や、段々薬が効かなくなる耐性についても以前より生じにくくなっています。ただ睡眠薬の効き方には個人差があり、また薬にはたくさんの種類があるので注意が必要です。高齢の方では睡眠薬を服用すると足元がフラフラしたり転んだりする危険が高くなりますので、できるだけ効果時間(半減期)の短いやさしい薬を服用することが大事です。

この他に「不眠」は「夜間せん妄」や「うつ病」に伴い出現することがありますが、これらのお話は次回いたします。

(文責/古賀 寛 奥村病院医師)