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通巻59号 平成22年1月15日発行 |
みなさん、こんにちは。前回までは認知症の症状についてお話しましたが今回からは認知症の種類についてお話をします。
時々「認知症とアルツハイマー病の違いがわからない」と言われることがあります。認知症とは以前は痴呆症と言っていましたが、物忘れなど知的な障害がみられるようになる病気のことをいいます。認知症はその原因・病態によってそれぞれ病名がついていますが、その種類は何十個もあります。その中の一つが「アルツハイマー病」になるのです。
その何十個もある認知症は大きく分類すると、大体三つに整理されます。
一番目は、大脳の神経細胞が通常の加齢よりも早く死滅していくために色々な症状が出るという「大脳の変性疾患による認知症」というものです。先に名前が出たアルツハイマー病もここに分類されますが、その他にはレビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症(ピック病)、パーキンソン病などがあります。そのほとんどの病気は原因不明で、進行性の経過をとります。
二番目の認知症は脳の血管が詰まったり切れたりするという、いわゆる脳卒中によって生じる「脳血管性認知症」です。急に意識を失って倒れて入院し、治療を受けて退院する頃には認知症の状態になっていたというのが典型的な脳血管性認知症の発症ですが、中にはそのようなはっきりとした脳卒中発作がないのに徐々にもの忘れがひどくなり、脳のCTやMRI検査をすると小さな脳梗塞や動脈硬化性病変がたくさん認められて、そこで初めて脳血管性認知症と診断されることもあります。
三番目の認知症は「その他の原因による認知症」になります。細菌やウイルスによる脳髄膜炎、事故などによる脳挫傷、あるいは脳腫瘍といった脳自体の病変が原因のものや、重度の肝臓疾患や腎臓疾患、または甲状腺ホルモンの異常など体の病気が原因のものなど様々な病気がここに入ります。ただしこの三番目の認知症の患者さんの数は多くはなく、これらを全部合わせても認知症全体の一割もない程度です。
認知症の患者数でいうと一番多いのはアルツハイマー型認知症であり、認知症全体の四割から五割を占めると言われます。日本では以前は脳血管性認知症が一番多いと言われていましたが、最近では欧米と同様にアルツハイマー型認知症の方が多いとされています。また近年では「レビー小体型認知症」という病気がアルツハイマー型認知症の次に多いとも言われています。
認知症の種類によってその後の経過や、治療法・対応方法が異なることもありますので、これらの認知症の種類を分類することは大事なことです。