社会福祉法人 うきは市社会福祉協議会 うきはししゃかいふくしきょうぎかい
そだてよう福祉のこころ ひろめよう福祉の輪
お問い合せホーム
通巻60号 平成22年2月15日発行

シリーズ「高齢者こころの健康講座」その11

みなさん、こんにちは。今回はアルツハイマー病についてお話します。

アルツハイマー病は認知症の中で最も患者数の多い病気で、認知症全体の半分以上はこの疾患であると言われています。アルツハイマー病は脳の中にいらぬ物質がたまったり(老人斑)神経が変性してしまう(神経原線維変化)ことにより大脳の神経細胞が次々に死滅してしまう病気です。画像検査を行うと患者さんの脳が同年代の人よりも萎縮しています。

この病気になるともの忘れが出現し、特に最近のこと、新しいことを憶えることができなくなります。それ以外にも聞いた話を理解できなくなり、物事の判断もあやしくなるなどします。そしてこれらの症状がいつ頃から始まったのかわからない位に徐々に進行していくのがこの病気の特徴です。「もの忘れは年のせい」と思って一年、二年と経ってみたらアルツハイマー病だった、ということがよくあります。

またアルツハイマー病では通常マヒや歩行障害などの身体の異常は生じません。このことは見方を変えると認知能力が障害されても身体は元気なので、遠くまで徘徊したり強い力で介護に抵抗したりと、逆に患者さんのお世話が大変になることがあるということです。
この病気の原因ははっきりしたことはわかっていません。加齢と共に病気になる危険性が増しますが、その他にも男性よりも女性の方がなりやすいことがわかっています。あまり数は多くありませんが遺伝するタイプも存在します。

治療法ですが現在の医学ではこの病気を完治させる方法はまだ発見されていません。世界中の医学者・研究者が色々な方面から治療薬を開発・研究しており、その中のいくつかは患者さんを対象とした治験という試験段階にきています。

病気の完治薬ではありませんが、この病気の進行を抑える薬は既に何種類か開発されており、日本で認められている薬も一種類だけ存在します。約10年程前にこの薬がわが国で発売されるようになってアルツハイマー病の治療は随分変わりました。病気の進行を抑えることが可能になったことは患者さん・家族にとって大きな福音になりました。

この薬を服用すると数パーセントの人に嘔吐・下痢など消化器関係の副作用が出現することがありますが、ほとんどの人は軽い症状で済みます。また先程も述べましたようにこの薬の効果は病気の進行を抑えるだけであり、悪化してしまった脳の機能を元に戻す事はできません。そのため進行してしまった状態で服用を開始しても効果は少なく、病気の初期に服用を開始してこそこの薬の効果が十分発揮できるといえます。他の病気と同様にアルツハイマー病でも早期発見・早期治療が重要なのです。

(文責/古賀 寛 奥村病院医師)