福祉員かわら版

通巻131号:平成28年3月1日発行

『認知症』について考える

『認知症』という言葉は平成17年から使われています

『認知症』という言葉はずいぶん定着し、以前のような嫌悪感も薄れてきたように感じます。

2015年1月に厚生労働省は、全国で認知症を患う人の数が、2025年には700万人を超えるとの推計値を発表しました。これは65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症になってしまう計算となります。認知症高齢者の数は、2012年の時点で全国に約462万人と推計されており、約10年で1.5倍にも増える見込となります。

皆さんもご存知のとおり、「認知症になるか…ならないか…」は誰にもわかりません。自身の家族やましては自分自身が将来なる可能性のある病気です。認知症のことを理解した上で、自分が認知症になったら「どうしたらいいか…」「どうして欲しいか…」を考えながら、日常生活で自身の予防に努めると共に、身近な人が認知症になった際には、自身に出来ることを今から考えておく必要があります。

認知症徘徊事故について、あなたはどう思いますか?

認知症に関して、最近取り上げられた話題の中に「認知症事故訴訟」がありましたが、みなさんご存知ですか。

事故の概要は、2007年12月に愛知県大府市でのJR東海の列車事故。亡くなった男性は、当時夫婦2人暮らしで、認知症徘徊症状のある要介護4(当時91歳)でした。妻も要介護1(当時85歳)であり、老老介護の状況でした。遠方に住んでいた長男夫妻も両親を支援するため、近くに転居し、両親の家に足を運んでいたようです。

事故当時、男性がデイサービスから帰宅した夕方、長男の妻は屋外で片付け、高齢の妻は夜中介護のため何度も起きなければならないことから、睡魔に襲われ数分間うたた寝をしている間に夫を見失い、今回の事故に繋がっています。

男性の認知症の症状が現れだしたのが2000年とのことであり、長い期間妻は夫を支え続け、長男夫婦も老いた両親を支え様とされていたことがわかります。しかし、ちょっとした間に男性を見失い、結果大きな事故に繋がってしまいました。

JR側は事故による損害賠償を家族に求め訴訟となっています。2013年第1審の名古屋地裁での判決は、家族がJR側に約720万円の支払いを命じました。2014年の第2審名古屋高裁の判決は、妻にのみにJR側に対し約360万円の支払いを命じる判決が出ました。

認知症の人が徘徊するなどして起きた、鉄道事故は8年間で76件

鉄道会社が国に届けた鉄道事故の報告書をNHKが分析した結果、平成17年からの8年余りで認知症の人が徘徊するなどして起きた事故が、少なくとも76件にのぼり、このうち64人が死亡していることがわかりました。

認知症をもっと理解し、みんなで支えられる社会に…

年を重ねることで、認知症になる可能性は誰しもが抱える問題です。また、自身が認知症にならなかったとしても、家族や親しい人が認知症になってしまう可能性も高く「他人ごと」ではありません。

認知症の症状も人それぞれであり、外に出かける人もいれば、家でじっとすることを好む人もいます。外出を好む人の徘徊を防ぐためには、「柱にくくりつけるか、鍵をかけ部屋に閉じ込める」ことになってしまいます。

徘徊の症状がある人に十分な介護サービスや家族の支えがあったとしても、24時間見守ることは容易ではありません。どこかで見失う恐れがあります。

認知症による列車事故の数のみ前述しましたが、それ以外の事故を含めたらもっと多くの方が、事故や事件に巻き込まれていることでしょう。列車や自動車事故の様に他者に損害を与えていれば、事故を起こしたその家族に多額の賠償を求められたり、逆に事故の相手に負担を負わせてしまう結果を招きます。

うきは市でも、日頃から認知症の方を家族や近所で見守っている所もあるかも知れませんが、認知症を理解し、地域での見守りや声かけ等、何らかの方策を考えることが必要です。

まずは家族が見守ることが基本ですが、長期になれば家族の負担も大きいです。家族が介護疲れで倒れてしまう恐れもあります。また、本人を閉じ込める等の虐待に繋がる恐れもあります。そうならないためにも、「認知症は、誰にでもどこにでも起こり得ること」と理解して、地域みんなで支えあう体制を整えることができたら、うきは市での不幸な事故は起こりにくく、「だれもが安心して暮らせるまち」になりますね。

27年度の福祉委員活動 あと1ヶ月です

福祉委員のみなさん、27年度の福祉委員活動ありがとうございました。現在うきは市には366名の福祉委員さんが登録されています。各行政区には、1名から多いところで8名の福祉委員さんがおり、行政区毎での地域の見守り活動や訪問活動にご尽力をいただいております。

27年度の福祉委員活動は残り1ヶ月。28年度も引き続き活動を続ける方もおられますが、3月末で交代する方もおられるかと思います。交代される福祉委員さん、一年間本当にありがとうございました。この一年で気づいたことや知り得たこと、色々あるかと思いますが、当初からお願いしております通り、個人情報の守秘義務につきましては、よろしくはお願い致します。また活動もあと1ヶ月になりましたので、後任の方に引き継いでおいた方がいいと思うことがありましたら、些細なことだと思っても引継ぎをお願いします。4月は新年度でなにかとバタバタすることが多くあります。新年度によく福祉委員さんから「前任者から何も引継ぎがなく、福祉委員になったものの何をどうしていいのかわからない」との言葉を耳にします。次になる福祉委員さんのためにもにも引継ぎをお願いします。忙しく引継ぎが困難な際には、担当地区の民生委員さんとの情報の共有をお願い致します。

これまでに福祉委員さんから頂いた声の一部を紹介します。

福祉委員活動を通して、改めて住んでいる「地域」と「人」と知ることができてよかった。

私は、今の地域に昔から住んでいたわけではありません。ですが福祉委員をしたことで、これまで知らなかった地域の方と知り合いになりましたし、地域を知ることができました。他の福祉委員さんと一緒に「よりあい」を少しずつ行うようにもなりました。まだ参加者は少ないですが、地道に活動を続けていきたいと思っています。また福祉委員を引いた後も、私にできることは続けて行こうと思っています。

次の福祉委員さんに情報を引き継いでいこうと思います。

福祉委員をしてきた中で、一人暮らしの高齢者の方で、ゴミ出しが困難な方がおり、ゴミ出しのお手伝いが出来るときに行ってきました。私に出来ることは今後も続けて行きたいと思っていますが「でしゃばっていると思われるのもどうかな…」と思いますので、次の方に相談したいと思っています。

また、交代される福祉委員さんにもう一つお願いですが、退いた後も、気になる方の見守り等お願い致します。一人でも多くの方が地域を見守ることで、より安全で安心な地域へとなっていきます。ちょっとした事でも気にかけてもらえたら、万一の事故等を防ぐことができますので、是非ご協力お願い致します。