福祉員かわら版

通巻80号:平成23年10月1日発行

「脳性麻痺」や「知的障害」って知っていますか?

先月号(079号はこちら)に引き続き、「障害児支援ボランィア養成講座」の3日目に講演して頂いた内容と、障害児のご家族からの体験談をご紹介します。
3日目は「脳性麻痺について知ろう」のテーマで、知的障害についても触れながら、ゆうかり学園(田主丸町)の理学療法士藤川康文氏に講演していただきました。
まず、脳性麻痺の定義とは下記のようなものとのことでした。

受胎から新生児(生後4週間)までのあいだに生じた脳の非進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる運動および姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。
進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達障害は除く。

☆脳性麻痺の原因とは?

出生前の胎内感染や出生児の脳外傷や脳出血、未熟児での出産出生後の脳炎や脳内出血などが原因となる。 また、医療技術が発達してきて、従来なら助からなかった胎児の救命率が上がり、脳性麻痺の発症率が上昇しているという背景もある。
続いて、脳性麻痺にはいくつかの病型があるので、症状として主なものをご紹介頂きました。

  1. 筋緊張の異常
  2. 知的発達障害(運動障害の為に、様々な体験をする機会が得られないまま)
  3. 視知覚認知障害
  4. 視覚障害
  5. 聴覚障害
  6. 嚥下(飲み込み)機能障害
  7. 呼吸機能障害
  8. 骨粗鬆症と骨折
  9. てんかん

専門用語がありますので、ちょっと難しいところもありイメージしづらいかもしれません。そこで、実際に脳性マヒ者であり、脳性マヒ者側からの気持ちを表された「玉井 明氏」の書かれた脳性マヒ者と付き合うための8ヵ条をご紹介頂きました。これを読まれると支援する際のポイントなるかと思います。
また、この日は、脳性マヒ児の今村君も会場に来てくれていたので、車いすの介助方法についての実演でモデルになってくれました。
ボランティアとして実際に、車いすの支援をすることもあるかもしれません。そのような時に、段差があったら?という時の為に、実演を通して操作方法を学びました。
今村君は、自分でも車いすを動かすことが出来るので、自由に会場を動きました。しかし、その時にも見守りは必要であると参加者は分かったのではないかと思います。
次に、「知的障害」についてお話を伺いました。知的障害は、以前は精神薄弱といわれていたものです。
知的障害には、脳性麻痺とは違い、統一された定義はありません。いくつかの機関が独自に判断基準を出しているそうです。
次に記しているのが、知的障害児の特徴です。

  1. 言葉がなかなか覚えられない
  2. 物事を記憶しておくことが苦手
  3. 動きがぎこちなく、細かい作業が苦手

知的障害には、軽度~重度まであり、個人個人で、理解できることなど特徴が違います。一人一人の能力を理解した上で接していくことが大切だと学びました。
講義の後には、脳性麻痺児の家族より体験談を話していただきました。今回は、先ほど紹介した車いす体験でモデルを務めてくれた今村君のお母さんにお願いしました。
産まれた時は、592グラムの超未熟児で、目の手術などを乗り越え誕生して1年1ヶ月後に退院となった時に「脳性麻痺」と診断されたそうです。
幼い頃は、在宅酸素でボンベを抱えて外出したりして、お母さん自身も、「つらい大変」「どうして、この子だけ」等と思い、一人で泣いたこともあったそうです。
しかし、子どもさんの頑張っている姿や笑顔、相談に乗ってくれた方々の支えで、ほんのちょっとした事でも、できた時の喜びが大きくなったそうです。

現在の今村君は、変わらない笑顔で周りの人を明るくしてくれますし、手話で自分の意思を伝えようとしてくれます。
今回の講座では、障害児の支援にスポットを当てましたが、『子育て』には、悩みはつきものです。皆さんにも思い当たることはあると思います。そのような時、悩みを聞いてくれる人やちょっと子どもを見ていてくれる人がいたら助かりませんか?
障害児のご家族も同じです。皆さんのちょっとした手助けがあることで、悩みが軽減できることがあります。
ただ、障害児の「個性」について知ってもらい、接し方や声かけを家族に尋ねて貰らうとより良い手助けができるのです。
そして、社協では、障害児のお母さん方の手記を平成18年4月15日号~12月15日号にふくしのかわら版に掲載していました。その手記を一冊にまとめた小冊子を作りました。
今後、福祉委員の方々には順次配布予定です。今回紹介した今村君のお母さんも綴られています。手に取られた際には、読んで頂き感想をお聞かせ頂きたいと思います。

  1. ノバに駅前留学しているように気長にヒアリング(聞き取り)して、言語障害をマスターしてください。
  2. 脳性マヒ者は音や振動に反応しやすく緊張を招くので、後ろから声をかけたり、肩をたたいたりしないでください。
  3. とにかく指示を聞いてから動いてください
  4. 脳性マヒ者の特徴を理解してください。
    脳性マヒ者は緊張のため、顔面を歪めたり、手足を突っ張ったりするので、よく酔っ払いと間違われたり、怖がられたりします。暗闇で歩いていると、子どもや若い女の子が私の姿を見て、避けて行きます。
    また、緊張のため、口腔の筋力のバランスが悪く唾液のコントロールが出来なくなります。そのため、通称ヨダレが出てしまい、引いてしまう人も多々います。
    しかし、そういう、いろいろな文化をもった人類がいるという事を認めて慣れて下さい。
  5. 緊張しないようにと言われると余計に、緊張が強くなるので、例えば入浴や食事介助の際は、会話や音楽などを聴いたりしながらリラックスさせてください。
  6. いきなり熱いものやアイスキャンディのような冷たいものを黙って口に入れないでください。
  7. 目が覚めて急に着替えを始めないようにしてください。
    脳性マヒ者は目覚めると、筋肉緊張のため血管が細くなっているため、なかなか動けません。急に動くと気持ち悪くなる人もいるので、布団の中でのウォーミングアップを確認して下さい。
  8. リハビリと称し、長い時間をかけて日常生活動作(食事・着衣・着脱等)を押しつけないでください。