福祉員かわら版

通巻81号:平成23年11月1日発行

被災地の今・・・

3月11日の東日本大震災から早くも8ヶ月になろうとしています。
そのような中、うきは市社会福祉協議会では、10月2日~11日の期間に被災地社会福祉協議会の支援に職員を1名派遣しています。
今回は、その職員より被災地の様子について話を聴きましたので、インタビュー形式で、紹介していきたいと思います。
今回、職員が向かったのは福島県二本松市です。現在、そこには、浪江町の役場と社協があります。
まずは、浪江町のことから説明していきます。

☆福島県浪江町とは?

・人口19,886人
・面積223.10k㎡
(福岡県久留米市と同じくらい)
・東日本大震災発生後、福島第1原発の関係で、避難指示区域及び計画的避難区域に指定された。
その影響で、浪江町役場および浪江町社協は、二本松市に拠点を移している。

☆浪江町民はどこに避難している?

仮設住宅が福島市、二本松市、本宮市、桑折町の4市町(27カ所)に設置されているうえに、借り上げ一戸建てやアパートやマンション、公営住宅など様々となっている。また、その他の市町村や県外にも避難している。

☆では、どこに誰が避難しているのか分からないのでは?

そこが課題。福島県外に出ている方もいるし、県内でも親類などを頼って引っ越している人などもいる。いずれにしても、新居住地に、住民票を移動させてない人もいて、把握が難しい状況。
仮設住宅も4市町に設置されているし、抽選で決まるので隣近所がまとまって住んでいるわけでもないのが現状である。

☆ならば、誰がどこにいるのか把握しなくてはいけないのでは?

そうなると、まず頭に浮かぶのが民生委員や地域の役員などをしていた方々に把握を依頼するということ。
しかし、民生委員や地域役員も被災者。他の住民と同じように避難をしている。隣組などで避難ができたわけではない。そのため、民生委員や地域役員も同じ仮設住宅の人が、同じ町民でも「知らない人」の場合がほとんどで把握は困難である。

☆そのような中で情報の把握のため、行われていることは?

仮設住宅に避難している方には、浪江町社協職員に加え、新たに採用された「生活支援相談員」という方々の訪問が始まったところ。 「ここは何人でお住まいですか?」と尋ねていくところから始まっている段階。

☆徐々にニーズも挙がってくるのでは?

派遣されていた10月初旬の段階では、網戸に隙間があり虫が入ってくるなど、「住まい」に関する苦情が多いのが特徴的。そこに、少しずつ福祉サービスに関する相談が出てきているような状況。

☆先ほど、「生活支援相談員」という言葉が出ましたが、どのような方々ですか?

生活支援相談員とは、仮設住宅入居者(被災者)宅を訪問し、話し相手になり、安心感を与え、合わせて国、県及び市町村等の各種支援策等の情報提供や利用方法について周知・伝達するなど行政等と入居者との「繋ぎ役」を果たす方。

☆どのような方が生活支援相談員になっているのですか?

見守り訪問活動の基礎講習を受けた方。社協がサポートをしている。浪江町の生活支援相談員は、現在28名。

☆仮設住宅入居者は、生活支援相談員に相談して情報を得ることもあるでしょうが、他にどのような方法でさまざまな情報を得ているのか?

集会場前に設置された掲示板やソフトバンクから支給されたタブレット(情報端末)で行政からのお知らせや様々な情報を得ている(右下写真参照)。

しかし、掲示板と言えば、うきは市では、区長が取りまとめて掲示している。しかし、仮設住宅では、先述したように地域の代表者がいない状況。まとめる方がいないので、チラシを持ってきた人が適当に貼っていくので情報は分かりづらい状況である。
回覧板も、住民がまとまっていないので出来ない。

☆集会場は何に使われているのですか?

これまでの災害でも仮設住宅は設置されたが、その時の教訓を踏まえて、コミュニティ作りに必要な集会場が最初から設置されている。
現状は、健康体操などが行われているが、十分には活用されていない。今後は、サロンなどが行われていく予定。しかし、どのように周知していくかという課題がある。

☆仮設入居者の交通手段は?

車を持っていない人は、病院や店がバスを回しているのでそれを利用して移動している。
しかし、車を持っている人でも、今後、雪が降るのを心配している人がいる。実は、浪江町より現在の避難地の二本松市の方が雪が降るようで、雪に慣れていないところもあるらしい。

さて、いかがでしたでしょうか?避難生活を余儀なくされている方々の生活が、少しばかり見えてきたのではないでしょうか?
地域の役員も誰しもが被災者。さらに、隣近所バラバラに避難をすることになったため、コミュニティを一から作り直さなければならない状況が分かります。
それには、まだまだ時間が掛かりそうですし、仮設住宅には期限が設けられます。そのような期間限定というのが、コミュニティ作りに支障をきたしているようにも感じます。
今は、衣食住に関するニーズが多いようですが、徐々に福祉的なサービスも増えていくと思われます。
例えば、先述した情報端末も、高齢者や障害者の中には使いこなすことが困難な方もいるのではないかと思いますので、何らかの支援が必要になってくるのではないでしょうか。