社会福祉法人うきは市社会福祉協議会

声・手・心 つないで人の輪 地域の和

福祉委員かわら版

181 令和2年10月1日 発行

10月に入り、少し肌寒く感じる季節となりました。

新型コロナウイルスも心配されますが、これから気温の変化や空気の乾燥などによって体調を崩しやすい時期にもなります。

皆さま、体調には十分お気を付けください。

平均寿命と健康寿命

今年は、5年に1度実施される国勢調査の年です。

国勢調査は、国内の人口や世帯構成などを把握し、様々な施策に役立てられます。

この国勢調査等のデータを元に算出されるのが平均寿命です。

平均寿命は現在0歳の子どもが何年生きられるかを示すもので、2019年は男性が81.41年、女性が87.45年となっています。

平均寿命と並び、最近テレビ等で耳にする言葉が健康寿命です。

健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことで、2016年の時点で男性が72.14年、女性が74.79年となっています。

平均寿命と健康寿命の間隔が短いほど良いとされています。

健康寿命への影響
~フレイルって?~

皆さんは、「フレイル」という言葉はご存じでしょうか。

フレイルとは、虚弱を意味する「Frailty(フレイルティ)」からとられ、加齢に伴う身体的機能や認知機能の低下が見られる状態で、健康な状態から要介護状態の中間の時期のことを言い、健康寿命に関係します。

フレイルの状態に陥ると、身体が疲れやすくなったり、ケガや病気のリスクが高まり、進行すると要介護状態や死に至ることがあります。

正しい知識を身に着けておくことで、介護予防になり、また、治療や予防などを行うことにより、フレイルの状態の改善へとつながることがあります。

〇フレイルの概要図

「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン第2版」(厚生労働省)を加工して作成

フレイルの原因

フレイルは、明確な一つの要因があって起こるものではなく、加齢に伴う身体や心の変化、環境の変化など様々な要因が重なることで起こります。

具体的には、筋力の低下や体重の減少、疲労感や元気が湧かなくなる、人と関わる機会が少なくなるなどの要因が相互に作用することによって、フレイルの状態に陥ります。

この状態が続き、そのまま放置されていくと、フレイルが進行し、要介護状態へと移ります。

フレイルの予防
~予防の3つの柱~

フレイルを予防するには、大きな3つの柱が大切になります。

〇栄養(食事・口腔)

バランスの取れた食事は、身体や体調を整える上で大切になります。

特にたんぱく質(肉や魚、大豆など)は筋肉の元となり、欠かせない栄養素です。

また、口腔は口からのどまでに至る部分を指し、食事や会話するのに重要な役割を果たします。

この役割を維持するには、口の中を清潔にすることや、定期的な歯科検診などの口腔ケアが大切です。

〇運動(身体的活動)

体操やストレッチ、散歩など適度な運動は、筋力の維持や増強するのに必要となります。

また、外作業や畑仕事も身体を動かす立派な運動と言えます。

〇社会参加(人とのつながり)

社会参加は、人とのつながりを表します。

栄養と運動に気をつけていても、社会参加が減っていくと身体と心に影響を与え、健康的な生活が難しくなります。

人とのつながりを大切にすることは、フレイル予防にも大きな役割を果たします。

社会参加を考える
~今、できることってなんだろう~

社会参加は、フレイル予防や健康寿命を延ばす上で、欠かせません。

しかし、コロナ禍の感染予防対策の影響により、地域での集まり、趣味や余暇活動など、以前と比べて、開催や参加が難しい状況となっています。

「いつ、どこで感染するのかわからない…」「自分が感染して、知らないうちに誰かを感染させてしまったら…」などの不安は、誰しも考えているのではないでしょうか。

社会参加は、誰かとつながる・関わりを持ち続けることで成り立つもので、コロナ禍の今、相手とどうつながっていくのかが大きな課題となってきます。

このような社会状況の中、人とつながる活動や取り組みを出来る範囲で続けている地域があります。

例えば、感染予防対策を行った上で、よりあいや自主的な余暇活動の開催、地域の広場でのラジオ体操、お宮掃除で顔を合わせる、3密を避けやすくするために外で活動を行う等。

以上のように、新型コロナウイルスと向き合いながら、今できる形で、活動や取り組みをされています。

一方で、地域の様々な実情から、活動や取り組みが難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

地域で集まる以外の方法として、近所の方と会った時に挨拶をする、お話しするなど、普段の近所付き合いも立派な社会参加です。

その他にも、電話でお話しする、手紙やポスティングカードでやり取りをするなど、直接対面しない形での交流も社会参加の一つだと思います。

コロナ禍の中では、挨拶や世間話など、普段の生活で何気なくしていることが、誰かとつながっているという安心を感じる機会となり、「誰かと話せてよかった」「心が少し落ち着いた」など、声かけした相手の心が温まり、心の健やかさにつながっていくのではないでしょうか。

※ポスティングカードは、社協の吉井・浮羽事務所、各地区自治協議会で準備しております。ご希望の方は、お気軽にお尋ねください。