福祉委員かわら版
229号 令和7年2月1日 発行入浴時のヒートショックに要注意!
風が冷たく、冬の寒さを感じる日々が続いています。
このような時期に気をつけたいのがヒートショックです。
厚生労働省の資料によると、65歳以上の浴槽における不慮の溺死者は、交通事故死者の2倍以上になるそうです。
例えば、暖房の効いた部屋から冷え込んだ脱衣所や浴室へ移動し、そのまま熱い浴槽に入ることなどが要因となります。
気温が下がる冬場に多く見られ、失神や不整脈のほか、死に至る場合もあります。特に、65歳以上の高齢者や糖尿病等の持病がある方は、発症しやすいため、注意が必要です。
そこで、今回はヒートショックの予防等について紹介します。
ヒートショックを予防するには
安全に入浴するために、次のようなことを心がけましょう。
①入浴前に脱衣所や浴室を暖めておく

温度の急激な変化を避けるため、入浴前は浴室や脱衣所を暖めておきましょう。
お湯を浴槽に入れる時に、シャワーから給湯すると、シャワーの蒸気で浴室の温度が上がります。また、浴槽のお湯を十分にかき混ぜて蓋を外しておくことも効果的です。
②お風呂の温度は41度以下、浴槽につかる時間は10分までを目安にする。

42度のお湯で10分入浴すると、体温が38度近くに達し、高体温等による意識障害を起こす危険が高まります。お湯の温度は41度以下にし、浴槽につかる時間は10分までを目安にして、長時間の入浴は避けましょう。
また、心臓から遠い足先等からお湯をかけて、お湯の温度に体を慣らすことで、心臓に負担がかからず血圧の急激な変動を防げます。
③浴槽から急に立ち上がらない

浴槽から急に立ち上がると、血圧が急激に上昇し、立ちくらみや失神することがあります。
浴槽から出る時は、手すりや浴槽のへり等を使って、ゆっくり立ち上がるようにしましょう。
④食後や飲酒後すぐの入浴、医薬品服用後の入浴は避ける

食後や飲酒後は、血圧が下がり過ぎる「食後低血圧」によって意識を失うおそれがあるため、食後や飲酒後すぐの入浴は避けましょう。
また、体調不良時や睡眠薬等の服用後の入浴は控えましょう。
⑤入浴前に、同居する家族等に一声かける

入浴中に体調の悪化などの異変があった場合は、家族等の同居者に早く発見してもらうことが重要です。そのため、入浴前には家族に一声かけてから入浴するようにしましょう。
また、家族等の同居の方は、「時間が長い」「音が全くしない」「突然大きな音がした」など、何か異常を感じたら、ためらわずに声をかけることが大切です。
以上が、入浴中の事故を予防するためのポイントでした。
家族や気にかけている方とお話しする機会がありましたら、紹介した内容について、お伝えしていただけたらと思います。
もしものときの救急車の利用について
突然の重い病気やひどいケガなど、緊急性が高いときは、すぐに救急車の要請が必要です。
一方で、急なことによる焦りなどから、救急車を呼ぶか迷うこともあると思います。
そこで、救急車の利用時のポイントについて紹介します。
救急車が必要なのはどんなとき?
救急車を呼ぶ必要があるときは、次のような緊急性の高い症状が挙げられます。
- 意識がない(返事がない)
- 身体のけいれんがとまらない
- 大量の出血を伴うけがや広範囲のやけど
- 冷や汗を伴う強い吐き気
- 物をのどに詰まらせた
- 交通事故や転落、転倒で身体に強い衝撃を受けた
その他に、いつもと様子が違う、おかしいと感じられた場合は迷わず救急車を呼びましょう。
救急車を呼ぶべきか判断に迷ったときは…

「緊急性の高い症状かどうか自分で判断できない」「救急車を呼ぶほどではないけど受診したい又は相談したい」というときは、アプリや電話等ですぐに相談できる次のような手段があります。
全国版救急受診アプリ
「Q助(きゅーすけ)」
消防庁が提供しているアプリで、ネット等で利用できます。
当てはまる症状を選択していくと緊急度の目安が分かり、必要な対応が表示されます。緊急度が高いと判定された場合は、アプリから119番に電話できます。
福岡県救急医療電話相談「#7119」
「#7119」に電話すると、看護師等の資格を持つ相談員が対応し、病気やケガの症状を把握して、緊急性や救急車要請の要否、診察可能な医療機関の案内、症状に応じた応急手当のアドバイスなどを行います。
判断に迷ったときには、是非ご利用ください。
以上、救急車の利用時のポイントについて紹介しました。
これからも寒い日々が続きますので、体調に十分お気をつけください。また、周りに体調の優れない方が居られた場合は、今回紹介した内容を参考に対応していただけたらと思います。